レースレポート:佐渡国際トライアスロン大会
毎年恒例の大作レースレポート
矢崎選手の1年の本命大会、佐渡国際トライアスロン大会2025です
以下、矢崎選手のレースレポート↓↓↓
ーーーーーーーーーー
思いの丈を詰めすぎて長文になってしまいました。
レース名 2025佐渡国際トライアスロン大会 兼 第29回トライアスロンロングディスタンス・ナショナルチャンピオンシップ
種目 Aタイプ(スイム4.0㎞、バイク190㎞、ラン42.2㎞)
天候 曇り時々雨 気温29.4℃ 水温28℃ 強風有り
リザルト スイム1:39:28(513位)バイク6:13:27(27位)ラン3:29:52(10位)
トータル 11:29:37
結果 総合25位(年代別3位入賞) 913人参加 完走561人
ついに迎えた最終目標、去年のバイクパートの仮を返すべく準備を重ねた日々。彩湖大会での試運転も良好、いよいよ決戦の時!
前日準備
前々日
ランコースの下見。ランパートの給水所が1ヵ所だけ変更してるので位置を確認後10㎞程バイクの試運転がてらコース確認。





大会前日
バイクをトランジットエリアに委託。ゼッケンナンバーでラックの位置を確認後スイム→バイクの導線をチェック、本番を想定して小走りで行う。
カーボローディングのため前日昼頃からMaulten320を少しづつ飲む。バイクボトルとは別枠。

補給および装備
スタート前 カフェイン200
バイク Maulten320×3とプレシジョン1500×三粒混ぜた物を750mlボトル×2、掛水ボトル×1、エアロボトル(中身は水)、フラスコに刀×8
ラン ウエストポーチに塩液、ビニール袋数枚とマイカップ持参
全ての競技通してトライスーツ+アームカバー+カーフスリーブ、ウエットスーツは袖有り(スイム苦手なので)、バイク乗車時にラン用ソックス着用、バイクでアイウェア、ランでバイザー装備。
スイム
4km(2km2周回)
運営から注意喚起とスイムスキップ案内のアナウンス有り、スタート前から厳しい戦いの予感。
1周目は集団に混ざり体力温存……、の筈が高波で体力が削られる。ヘッドアップも困難で目印のコースロープを頼りに進むも同じ狙いの選手多数でバトル多め、他の選手の平泳ぎの蹴りが痛い。
2周目の波は更に高く常に身体が1m程上下動するため船酔い状態(一回吐いた……)。
作戦変更、「いのちだいじに」でゴールを目指す。まずこの地獄を乗り切らないとバイクのリベンジが出来ない。両側呼吸は胃を揺さぶられるのでコースロープ間際で片側呼吸、高波で呼吸が妨げられる事しばしばなので数で勝負、やっとの思いでスイムアップのゲートを視界に納めた時の安心感と言ったら……。
歴代最も過酷なスイムがようやく終了。内臓にもダメージ有り。吐いた分の水分をOS-1で補給してバイクパートで巻き返しを狙う。
スイム 1:37:27(通過順位513位)

バイク
佐渡一周190㎞。スイムに続きバイクも強風、大佐渡(上半分)も小佐渡(下半分)も向かい風で時々にわか雨。
今大会のボトルの手渡しはASのみ。しかもコーラのボトル無し。WSは紙コップのみでボトルキャッチャーも無し。空ボトルの運用も重要。
相棒は新型Cervelo P-Series。
前回大会からの変更点
①DHバーの高さ変更による乗車姿勢の改善とエアロボトル導入+サドルのボトルホルダー変更による空気抵抗削減。
②フレーム変更によるタイヤのワイド化+チューブ変更。28CのP ZeroとPirelli Smartube Evo。試走での走りも極めて軽快!
③補給手段の変更、エイドでのボトル手渡し削減対策のため電解質とエネルギーを同じボトルに混ぜる事でナトリウムの積載量Up。
上記の改善はVAX SAYAMAさんからの全面的なバックアップによるものです。店長さんに心より感謝申し上げます。
例年より後方スタートからのリベンジの始まり。スタート直後から驚くほど走りが軽く前方の選手をまとめて捕らえる。向かい風もエアロ効果で以前より楽に。
5㎞毎にMaulten+プレシジョンを補給。水は主に掛水専用、頭や首、アームカバーや足の他、新しい試みとして手の甲を湿らせる。DHポジションでは最初に風が当たるので中々良さげ。WSではボトルの手渡しが無いので相川(20㎞)はスルー、徐々に選手の間隔もまばらに。
20㎞以降は刀とMaulten(以下プレシジョン略)を交互に摂取、掛水補充のため高千AS(43㎞地点)で水入りボトルを補充してZ坂へ。絶景を横目に体力温存を心がけ坦々と登る。
水の消費が激しいので鷲崎AS(72㎞)で補給、そろそろ内臓も落ち着きペースアップ。
鷲崎から白瀬、選手の間隔は更に広がり単独走行の時間が増える。先行選手を視界に捉える度に力が漲ってくる、前回の佐渡で出来なかった追走、一人また一人と追い付きながら進む。
白瀬WSで水を補給。一旦停止でボトルの水を満杯に、ついでに紙コップで初コーラ。ボランティアの皆様の柄杓での掛水がありがたい。
両津港を越え小佐渡へ。例年は追い風による加速が楽しめるが今年は向かい風。時々にわか雨有り、ボトルの水を温存出来るのでむしろ歓迎。
水津AS(118㎞)でMaulten1本目飲みきり破棄→水ボトルと交換→取っておいた空ボトルにコーラ補充→ボランティアさんの柄杓で掛水。
水津AS→多田WS→小木ASの区間は多少のアップダウンはあるもののTTバイクの独壇場。向かい風も何のそので新Cevelo P-Seriesの性能を思う存分発揮。明らかに旧サーベロより巡航能力が高い!同じパワーで1~2段でかいギアが回せる!
DHバーの高さ変更はエアロ効果だけでなく上半身の安定とペダルへの荷重の増加の役目も果たしてくれた模様。店長さんに走行写真を取っていただいた成果がここに!これに最高のチューブとワイドタイヤが加わり鬼に金棒!
刀がもうすぐ無くなるので小木AS(161㎞)で水とコーラを満杯にして小木坂突入。全力で登り前走者を幾人か抜かす。小木坂を越えて最終の羽茂WS(169㎞)で水補充→コーラ補充→掛水を済ませラスト20㎞。もう一つ坂を越えスイム会場の海が一望出来るラスト10㎞、例年勢いが削がれる終盤でも尚新しい相棒は良く走ってくれる!市街地を抜けて遂にトランジットエリアに到着!いよいよランパートへ。
バイク 6:13:27(27位、通過順位62位)
ラン
海岸沿いの往復コース×4(42.2㎞)。天気予報では雨の筈が日差しもちらほら。先ずは水を被る。そして持参のビニール袋に氷をもらいスタート。
スタート直後、彩湖や佐渡でお見かけする顔見知りの強豪選手を発見。お互いに健闘を称え合う。今回はAタイプリレーのラン担当で出場され、翌週アイアンマン北海道に出場との事。この方の力走は自分に闘志を与えてくれる。己を奮い立たせ負けじとペースを上げる。しかし例年に比べ先行選手のペースが全体的に速い。焦らず徐々に戦闘態勢を整える。
ビニールの氷で手の平を冷却、ついでに首や頭に当ててウェアの中に入れる。塩分補給は前回大会でも使用した液状の塩採用、ウエストポーチが濡れても中身が固まらないので便利。
エイド毎に塩舐める→水を被る→コーラ飲む→氷もらうの手順を順守。ビニール袋は広げたり縛ったりの取回しが意外と面倒なので2回目から持参のマイカップ仕様。縁まで入れてもらいウェアの胸元に入れて冷やす。携帯用の柔らかい奴なので氷が溶けたら潰してウェアを濡らして冷却。手の平やアームカバーもついでに冷却、ウエストポーチがベルトの役目を果たし走ってても落ちない。氷が溶けたら取り出して身体にかける。取り回しとしては中々便利。
1周目から前走者の背中に次々食らい付く。本町WSは去年より少し遠い位置だが事前の下見で確認済みなので問題なし。
2周目から右のふくらはぎに痛みが。疲労の蓄積とカーフスリーブ+アンクルバンドの締め付けよるダメージかも。エイドの氷で冷やして応急措置→ピッチ走法で進む。周回コースは選手が入り乱れ自分の順位や位置取りが解りづらいが上記の顔見知りの選手とすれ違いながらペースを作り周回に関係なく赤いナンバーを目標に前へ。
3周目で沿道に見知った顔が、Bタイプを完走したアルペンさんでした。写真と動画ありがとうございます。流石にここまで来ると疲労も大きい。
4周目、いよいよラスト。残りの体力の全てを振り絞りひたすらゴールを目指す。毎年の事ながら佐渡のラストは地獄。しかし昨年のバイクで力を出しきれずに迎えたランより遥かに高揚した気分。バイクのリベンジを誓った一年前の望みがもうすぐ叶う。日本一楽しい地獄がもうすぐ終わる。ゴール間際でスコール有り、恵みの雨を全身に浴びつつフィニッシュゲートへ。
ラン 3:29:52(10位、通過順位25位)
トータル 11:29:37
総合25位/913人中 年代別3位入賞
総括
まずは本大会のため今日までサポートしていただいた店長さんに感謝申し上げます。ありがとうございます。
今回の佐渡はAタイプでナショナルチャンピオンシップが行われハイレベルの選手が多数参戦(現役のプロも参戦、ランパートの先行選手が速かったのも納得)、強風でのスイムの高波、バイクパートの向かい風と歴代の佐渡でも類を見ない難易度の高さでした。
スイムは自然の恐ろしさを改めて実感、Bタイプは距離短縮したとか(アルペンさん曰く)波の攻略と酔い止め対策が今後の課題。割り切ってペースを落としたのがバイクの好調に繋がったのかも知れません。
バイクは一年越しのリベンジがようやく達成出来ました。ボトルの受け渡しが色々変更されてエイドストップを繰り返す事しばしばでしたがそれでもAV30㎞/h越えは余裕。パートの順位は27位と歴代タイ!細かい所ではまだ見直せる箇所は有るものの満足のいく結果でした。
ランは毎年上位を狙う心構えで挑んでいますが今年はギリギリで10位以内に滑り込みました。彩湖のウルトラや6月の河川敷等距離や暑さ対策を経て、バイクの徹底強化で脚を残しての挑戦でしたが他の選手は更に上手でした。
チャンピオンシップ兼用なので強豪揃いなのは覚悟の上でしたがここまでとは……。序盤の周回で先行選手を横目で見ると、ランナーの身体と異なりしっかりした筋肉を備えているのに軽快な走り。距離耐性だけでなくスピード練習も充分こなしているのでしょう。後エイドでのタイムロスが少ない。今後の競技において大変参考になりました。